これまで、日本の大学を卒業した大学生が日本で就職しようとした場合、一般的には、「技術・人文知識・国際業務」という在留資格を得て、それぞれの専攻分野に合わせてエンジニアや通訳、翻訳、マーケティング関係などの「専門的な業務」を行うこととされてきました。この場合、彼らが行うことができるのは、認められた範囲の専門的な分野の業務に限られていて、それ以外の業務を行うことはできません。

 

 例えば、ホテルなどで採用された場合、フロント業務や通訳業務、さまざまな企画、ランドオペレーター、海外旅行会社との打ち合わせといった業務はできますが、どんなに現場が忙しくても、清掃作業やレストランでの接客といった業務については基本的に行うことができませんでした。

 

 これまで、日本政府は日本の大学などに留学した留学生の日本での就職率を「50%」とすることを目標としてきましたが、このような入管法上の制約もあって、実態的には「30%程度」しか日本で就職できていないのが現状でした。

 そのような中今年5月、入管法7条1項第2号に基づく告示に、日本の大学を卒業した留学生の就職に関する内容が追加されました。

 

 これまでの「技術・人文知識・国際業務」と大きく異なるのは、飲食店や小売店、製造業などの企業で、サービスの提供や接客、製造などの業務に、ある程度携わることができるという点です。ただし、そういった業務ばかりを行うことはできず、主たる業務は大学で専攻した専門知識や高い日本語能力を生かしたものでなければなりません。

 

 でも、これまでは認められてこなかった業務範囲まで、許可されるとなると、これまでは外国人の雇用が難しかった、中小の製造業やホテル、飲食といった企業でも幹部社員として外国人の雇用も視野に入ってきます。

 

 しかし、一方では「技術・人文知識・国際業務」の資格については、「特定活動」の業務内容との差を明確にするために、より厳格な審査が行われることになるかもしれません。

 

 

留学生の就職支援に係る「特定活動」のポイント

1、常勤の従業員として雇用され,本邦の大学又は大学院において修得した知識や能力等を活用することが見込まれること。

2、本邦の大学(短期大学を除く。)を卒業し,又は大学院の課程を修了して学位を授与されたこと

     3、日本人と同等額以上の報酬を受けること

4、高い日本語能力を有すること(試験又はその他の方法により,日本語能力試験N 1レベル等が確認できること)

注意)

1、風俗営業活動や、法律上資格を有する者が行うこととされている業務(業務独占資格を要する業務)については従事することはできません。

2、大学・大学院において修得した知識や能力を必要としない業務にのみ従事することはできません。