特定技能の外国人の受け入れをすることができる企業などについても、さまざまな要件が定められています。特に、出入国管理関係法令・労働関係法令・社会保険関係法令等を遵守している企業であることが求められます。

 更に、外国人の雇用が単なる「低賃金労働者」となることがなく、また賃金が割高になりがちな、「日本人従業員の解雇」に結びつくことがないように、日本人と同等の報酬の支払いを求め、更に、特定技能雇用契約の締結から一年前、また締結の日以後、該当業務での非自発的な離職者を出さないことも求められています。

 受け入れをすることができる企業等は、特定技能1号で在留する外国人が、職業生活や日常生活、社会生活を円滑に行うことができるように、その支援をすることが義務付けられています。そのために、企業等には「1号特定技能外国人支援計画」の作成や、その適正な実施が求められます。この支援については、入国在留管理庁に届出を行って登録された「登録支援機関」が1号特定技能外国人支援計画の作成や計画の適正な実施について委託することも可能です。

 

主な要件は、以下のような内容となっています。

 

 (1)契約の適正な履行の確保に関するもの

   ・労働・社会保険や租税に関する法令を遵守していること

・特定技能雇用契約の締結の一年前から、また締結の日以後に、同種の業務に従事していた他の労働者を非自発的に離職させていないこと

・特定技能雇用契約の締結の一年前から、また締結の日以後に、外国人の行方不明者(受入企業等に帰責事由があるもの)を出していないこと

  ・法令で定められた欠格事由に該当しないこと

  ・悪質な紹介業者等が介在し、本人や家族が、保証金などの名目で金銭等を徴収されたりしていないこと。

  ・1号特定技能外国人支援に要する費用を本人に直接的もしくは間接的にも負担させないこと。

  ・預貯金口座振込等の支払いが確認できる方法により報酬を支払うこと。

 など

 

(2)支援計画の適正な実施の確保に関するもの

  ・次のいずれかに該当することが必要です。

 (a) 過去2年間に中長期在留者の受入れ又は管理を適正に行った実績があり、かつ、役職員の中から支援責任者・支援担当者を選任していること

 (b) 役員・職員の中から支援責任者・支援担当者(一定の実務経験が必要)を選任していること

  ・外国人が十分に理解できる言語で支援を行える体制を整備していること

  ・支援責任者・支援担当者が欠格事由に該当しないこと  など

     ※支援計画の適正な実施については、登録支援機関に実施を委託することも可能です。

 特定技能の在留資格で入国する外国人を受け入れるには、雇用する企業と外国人の間で、「特定技能雇用契約」を締結することが必要です。この契約は、労働基準法などの労働に関する法令の規定に適合していることは当然ですが、そのほかにも多くの規定があります。主な基準としては、以下のようになっています。

 

〇 外国人の所定労働時間や報酬額は、日本人が従事する場合と同等以上とすることが必要です。外国人だけ労働時間を多くしたり、外国人だけが最低賃金で働いたりということはできません。

 

〇 外国人が一時帰国を希望した場合には、有給休暇を取得させるようにする必要があります。この場合の旅費は外国人本人が負担することとしても差し支えありません。

 

〇 契約終了後の帰国旅費については、本人が旅費の負担をすることができない場合には、受け入れ機関が旅費を負担し、契約終了後の日本からの出国がスムーズに行われるような対応をすることが必要です。

 

 特定技能雇用契約の締結に際しては、更に特定の分野に関係する基準が設定される場合もあります。通常の雇用契約とは異なる部分も大きいことから、特定技能外国人支援計画の策定と合わせて、慎重に対応する必要があります。

 昨年末に、入管法改正に伴って必要になる、政令や省令の改正案が発表されました。これまで法律案だけではよくわからなかった部分が、かなりはっきりしてきています。

 

 今回の入管法改正の中で、最も注目されているのが、新たな外国人材の受け入れに関する内容で、特に「特定技能」という新設される在留資格についてです。「特定技能」は、一定の技能を習得している外国人が、日本で人材が極めて不足している分野での就労を可能とするものです。

 

 受け入れることのできる分野は以下の14分野で、建設業、造船・舶用工業の分野に限って、「特定技能2号」に移行することが可能になっています。

 

 (1)「特定技能1号」の受け入れ対象分野

   受入対象分野: ?介護業 ?ビルクリーニング業 ?素形材産業 ?産業機械製造業

           ?電気・電子情報関連産業  ?建設業 ?造船・舶用工業

           ?自動車整備業 ?航空業 ?宿泊業 ?農業 ?漁業

           ? 飲食料品製造業 ?外食業

   

   在留期間: 1年、6か月、4か月(最長通算5年)

 

(2)「特定技能2号」

   受入対象分野: ?建設業 ?造船・舶用工業

 

   在留期間: 3年、1年、6か月(更新可能)

 

 特定活動2号は、在留期間の上限が定められていないので、日本で仕事をし続けることも可能です。配偶者や子どもについても、一定の要件を満たしていれば、日本で生活することができます。

 コンビニやファストフードの店舗で働く外国人の姿を見かけるのは、もうあたりまえの景色になっています。こういった店舗で働いているのは、その多くが専門学校や大学で学んでいる留学生です。
 留学生は、学業の妨げにならない範囲であれば、入国管理局から「資格外活動許可」を受けることで、一週間に28時間(学校の長期休暇などに限り、期間中に一日8時間)まで働くことが可能です。アルバイトの職種は幅が広く、飲食店や居酒屋、コンビニなど様々なアルバイトをすることができますが、風俗営業等に関するアルバイトをすることはできません。性風俗店は当然ですが、いわゆるキャバクラやスナック、キャバレーといった「接待等飲食店営業」はもちろん、麻雀店やパチンコ店、ゲームセンター等といった「風営法で規制されている業種」で働くこともできませんし、これらの店舗などでは皿洗いや清掃といった業務であってもすることはできません。
 留学生アルバイトの採用にあたっては、在留カードの有効期限などを確認することも大切ですが、「資格外活動許可」を受けているかという点の確認が重要です。
 また、採用した留学生のアルバイト時間については、「一週間28時間以内の原則」を守らなくてはなりません。
 たまに一か所では一週間で28時間以内なのに、ダブルワークやトリプルワークをして、実際は一週間に56時間とか働いていることがあります。発覚すれば、在留資格が取り消しとなって、勉学の途中で帰国せざるを得なくなることもありますし、就職時の在留資格変更申請の際に「所得が多すぎる」ことからダブルワークやトリプルワークが発覚して、変更申請が不許可となることもありえます。
 一週間で28時間のアルバイトでは、学費や家賃を支払いながら勉強するために必要な費用がまかないきれないというのも理解できない訳ではないのですが、卒業後も日本で働くことができるように、この点はしっかり守ってもらうようにしてほしいと思います。
 

 専門学校を卒業して専門士や高度専門士の称号を受けることで、「技術・人文知識・国際業務」など就労系の在留資格を取得できる可能性が高くなります。

 これは、専門学校で専門的な知識や技能を身に着けたことで、入管法の「学歴要件」を満たすことができるようになるからです。

 ところが、せっかく専門士となり専門学校を卒業したにも関わらず、現在日本に該当する在留資格がないために、そのままでは就労できないという専攻分野が存在します。

 例えば、「美容師、エステシャン」といった理美容系、また、「保育士」(保育を専攻した短期大学なども)などの教育系、介護以外の福祉系の分野を専攻した場合、それぞれの専門分野に該当する在留資格がありません。これらの分野は、専門士となっていたとしても、資格に該当しないという理由で、申請が許可されることはありません。

 理美容のサロンを経営している会社や保育園、福祉系の施設などでは、「専門学校での専攻分野」が合っていて、美容師、保育士の資格を持っていたとしても、それだけで専門学校を卒業した留学生を採用することは難しいのです。

 では、全く採用する手段がないのかというと、場合によっては可能となることがあります。例えば、日常会話を英語とすることで、幼児期からの英語教育を行っている保育園などでしたら、母国語が英語の職員として採用を検討することも可能です。

 専門学校で専攻した分野と就労して行う業務との関連が、「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格に該当していれば、許可される可能性がでてきます。

 ただ、こういった場合は専攻分野と業務内容の整合性や十分な業務量があるということについて、入管法で求められる条件を満たしていることを明確に説明することが重要になります。

 多くの分野で人手不足が深刻になっています。飲食業界もやはり人手不足に悩んでいる業界のひとつで、居酒屋やファストフード店では多くの外国人アルバイトの姿をみかけます。

 飲食店で働く外国人の多くは、日本の専門学校などで働く「留学生」です。日本で留学生として在留している外国人は、一週間に28時間(長期休暇中など一定の場合は一日8時間)までの範囲でアルバイトをすることが可能です。アルバイトは、風俗営業法に定められた業種などを除いて、あまり業種の制限がありません。

 そのため、飲食店やコンビニなどで多くの留学生が働いています。

 優秀な外国人も多いので「卒業後、ぜひウチで働いてほしい」と相談を受けることは珍しくありません。

 しかし、ここでも「入管法」による規制があります。

 入管法では、接客などの業務については大学や専門学校などを卒業して就労するための「技術・人文知識・国際業務」には該当しないとされています。そのため、アルバイトで働いてくれた留学生がどんなに優秀でも、飲食店などのホールスタッフとして正社員で採用することはできないのです。

 しかし、飲食店であっても、海外からの来店者がとても多く、来店する海外のお客様対応のために、該当する国の言葉を母国後とする人材を採用する、とか、大学で経理を専攻してきている人材といったことがあれば、経理部門で採用するといったことは可能です。外国人アルバイトがとても多いのであれば、人事担当者としてそれらの外国人アルバイトを管理するといったこともあるかもしれません。

 いずれにしても、短期間の実務研修などを除いては、業務として接客をすることはできませんので、注意が必要です。

 毎年、秋になると翌年卒業予定の「外国人留学生」の採用を決めた会社さんから、「留学」の在留資格から「技術・人文知識・国際業務」(働くことのできる資格)への在留資格変更の手続きについてご相談いただくようになります。

 大学や専門学校を卒業予定の留学生を採用するには、日本人の学生を採用するのとはかなり違う配慮をする必要があります。

 日本人であれば、大学や専門学校で学んだことと、入社後に行う業務との間に全く関係がなくても、あまり問題ありません。例えば、飲食チェーンの会社が専門学校でプログラミングを専攻した学生を採用して、ウェイターとして働くことになっても、日本人でしたらもちろん大丈夫です。しかし、このようなことは外国人ではできません。

 外国人を採用する場合、その外国人が大学や専門学校で専攻してきた分野と就職後に行う業務との関連性を問われます。大学の場合は、多少幅広く関連性を認められますが、専門学校の場合は、かなりしっかりした関連性がないと、留学からの在留資格の変更が認められないという傾向があります。

 外国人留学生は、真面目でハングリーなところがある人も多いので、「ぜひ採用したい」とのお話を伺うこともあるのですが、どうしても専攻と業務内容との関係で難しいという場合が出てきます。

 せっかく内定して、喜んでいたのに、急転直下就労できなくなってしまう学生にとってはとてもかわいそうですし、企業としても時間とコストをかけて行った採用活動が無駄になってしまうことにもなりかねません。

 採用活動を始める前に、「どの業種の人材が会社のために必要なのか?」、「そのためにはどのような分野を専攻した人材を採用するのか?」をよく検討することが重要です。