専門学校を卒業して専門士や高度専門士の称号を受けることで、「技術・人文知識・国際業務」など就労系の在留資格を取得できる可能性が高くなります。

 これは、専門学校で専門的な知識や技能を身に着けたことで、入管法の「学歴要件」を満たすことができるようになるからです。

 ところが、せっかく専門士となり専門学校を卒業したにも関わらず、現在日本に該当する在留資格がないために、そのままでは就労できないという専攻分野が存在します。

 例えば、「美容師、エステシャン」といった理美容系、また、「保育士」(保育を専攻した短期大学なども)などの教育系、介護以外の福祉系の分野を専攻した場合、それぞれの専門分野に該当する在留資格がありません。これらの分野は、専門士となっていたとしても、資格に該当しないという理由で、申請が許可されることはありません。

 理美容のサロンを経営している会社や保育園、福祉系の施設などでは、「専門学校での専攻分野」が合っていて、美容師、保育士の資格を持っていたとしても、それだけで専門学校を卒業した留学生を採用することは難しいのです。

 では、全く採用する手段がないのかというと、場合によっては可能となることがあります。例えば、日常会話を英語とすることで、幼児期からの英語教育を行っている保育園などでしたら、母国語が英語の職員として採用を検討することも可能です。

 専門学校で専攻した分野と就労して行う業務との関連が、「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格に該当していれば、許可される可能性がでてきます。

 ただ、こういった場合は専攻分野と業務内容の整合性や十分な業務量があるということについて、入管法で求められる条件を満たしていることを明確に説明することが重要になります。

 多くの分野で人手不足が深刻になっています。飲食業界もやはり人手不足に悩んでいる業界のひとつで、居酒屋やファストフード店では多くの外国人アルバイトの姿をみかけます。

 飲食店で働く外国人の多くは、日本の専門学校などで働く「留学生」です。日本で留学生として在留している外国人は、一週間に28時間(長期休暇中など一定の場合は一日8時間)までの範囲でアルバイトをすることが可能です。アルバイトは、風俗営業法に定められた業種などを除いて、あまり業種の制限がありません。

 そのため、飲食店やコンビニなどで多くの留学生が働いています。

 優秀な外国人も多いので「卒業後、ぜひウチで働いてほしい」と相談を受けることは珍しくありません。

 しかし、ここでも「入管法」による規制があります。

 入管法では、接客などの業務については大学や専門学校などを卒業して就労するための「技術・人文知識・国際業務」には該当しないとされています。そのため、アルバイトで働いてくれた留学生がどんなに優秀でも、飲食店などのホールスタッフとして正社員で採用することはできないのです。

 しかし、飲食店であっても、海外からの来店者がとても多く、来店する海外のお客様対応のために、該当する国の言葉を母国後とする人材を採用する、とか、大学で経理を専攻してきている人材といったことがあれば、経理部門で採用するといったことは可能です。外国人アルバイトがとても多いのであれば、人事担当者としてそれらの外国人アルバイトを管理するといったこともあるかもしれません。

 いずれにしても、短期間の実務研修などを除いては、業務として接客をすることはできませんので、注意が必要です。

 毎年、秋になると翌年卒業予定の「外国人留学生」の採用を決めた会社さんから、「留学」の在留資格から「技術・人文知識・国際業務」(働くことのできる資格)への在留資格変更の手続きについてご相談いただくようになります。

 大学や専門学校を卒業予定の留学生を採用するには、日本人の学生を採用するのとはかなり違う配慮をする必要があります。

 日本人であれば、大学や専門学校で学んだことと、入社後に行う業務との間に全く関係がなくても、あまり問題ありません。例えば、飲食チェーンの会社が専門学校でプログラミングを専攻した学生を採用して、ウェイターとして働くことになっても、日本人でしたらもちろん大丈夫です。しかし、このようなことは外国人ではできません。

 外国人を採用する場合、その外国人が大学や専門学校で専攻してきた分野と就職後に行う業務との関連性を問われます。大学の場合は、多少幅広く関連性を認められますが、専門学校の場合は、かなりしっかりした関連性がないと、留学からの在留資格の変更が認められないという傾向があります。

 外国人留学生は、真面目でハングリーなところがある人も多いので、「ぜひ採用したい」とのお話を伺うこともあるのですが、どうしても専攻と業務内容との関係で難しいという場合が出てきます。

 せっかく内定して、喜んでいたのに、急転直下就労できなくなってしまう学生にとってはとてもかわいそうですし、企業としても時間とコストをかけて行った採用活動が無駄になってしまうことにもなりかねません。

 採用活動を始める前に、「どの業種の人材が会社のために必要なのか?」、「そのためにはどのような分野を専攻した人材を採用するのか?」をよく検討することが重要です。