日本で生活するために、海外から日本に入国するには基本的に有効な査証(VISA)を所持していることが必要です。査証(VISA)は日本に来る前に母国の日本大使館などで取得しますが、日本で事前に「在留資格認定証明書交付申請」を出入国在留管理局に対して行い、「在留資格認定証明書」を取得しておくと、大使館でのビザ発給がスムーズになります。

 

 在留資格認定証明書は、外国人を雇用した企業などが外国人を呼び寄せるような場合に、その外国人が、どの在留資格に該当しているかについて証明する書類です。事前に在留資格認定証明書を取得したうえで、在外公館で査証(ビザ)の申請を行うことで、比較的簡単な手続きで、査証の発給を受けることができます。

 

 在留資格認定証明書の有効期間は、原則として発行から3か月となっており、その間に査証をとり日本に入国しなければなりません。現在、今回の新型コロナウィルスの世界的な感染拡大のために、多くの国で出入国が規制されています。そのため、日本での在留を希望する外国人が、在留資格認定証明書を取得したにも関わらず、有効期間内に日本に入国できないという状況が発生していました。

 

 そこで、6月26日に出入国在留管理庁は、在留資格認定証明書の有効期限に関する特例を発表しました。それによると、2019年10月1日以降2021年1月29日までに発行された在留資格認定証明書は、入国制限措置が解除された日から6か月又は2021年4月30日までのいずれか早い日まで、有効とみなされることになりました。

 

 ただし、在外公館で査証(ビザ)の発給申請の際に、受け入れる会社などが「引き続き、在留資格認定証明書交付申請時の活動内容どおりの受け入れが可能である」ことを記載した文書を提出することが必要です。

 

 昨年の秋に在留資格認定証明書が交付されていたのに、新型コロナウィルスの感染拡大が原因で来日できなかった方は、ぜひ一度確認してみてください。

 

 もしかすると、入国の制限が解除されたら来日できるかもしれません。

 

 4月7日に政府は、東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、福岡の7都県市に対して、緊急事態宣言を発令し、そのために大きく減収した世帯に対して、30万円の給付をおこなうこととしていました。しかし、それでは該当する世帯がとても少なくなるなどの理由で、非常に不評だったために、4月16日の非常事態宣言が全国に発令されるタイミングで、一転して全国民を対象に一人10万円を支給するということになりました。

 現在、自治体ごとにマイナンバーカードを用いたオンライン申請や、申請書の郵送などが行われており、順次支給がはじまることになっています。

 さて、この「特別定額給付金」ですが、支給の対象が「全国民」とされています。では、外国籍の方は特別定額給付金を受け取ることができるのでしょうか?

 総務省によると、支給の対象は「基準日(令和2年4月27日)において、住民基本台帳に記録されている者」とされていますので、日本人と結婚していて、現在日本で暮らしている方や就労できる在留資格で日本で暮らしている方など、中長期の在留者として住民登録がある場合には支給の対象になります。

 留学生や技能実習生も対象となりますが、申請に必要な書類は住民登録されている住所に郵送されますので、住所を変更したような場合に届出などがきちんとされているか確認しておくことが重要です。

 

 新型コロナウィルスの感染が世界的に広がっていくなか、多くの国で空港の閉鎖や航空機の運航停止、外国からの入国拒否などが行われるようになっています。そのため、短期滞在(観光ビザなど)で日本に在留している外国人の方の中には、母国に帰国することができなくなっている方もいます。

 

 短期滞在(観光ビザなど)は、観光や知人訪問、出張などのために短期間日本に滞在するための在留資格ですので、基本的に延長することができません。しかし、これまでも「真にやむを得ない事情」があるような場合には、入管に「在留期間更新許可申請」を行うことで、一定期間の延長が認められるという運用が行われてきました。

 

 今回の新型コロナウィルスによる感染拡大が原因で、空港が閉鎖されているなどの理由で、帰国することができなくなってしまったような場合も、この「役を得ない事情」があると認められ、延長できる可能性があります。(申請しても、必ず認められるという訳ではありません。)

 

 申請にあたっては、次のような書類が必要になります。

 1 在留期間更新許可申請書

 2 パスポート(申請の際に提示)

 3 「短期滞在」の在留資格に係る活動を引き続き必要とする理由を明らかにする資料

 4 日本に入国してから現在までの活動を説明する資料(書式自由,具体的に記載願います。) 

 5 滞在中の経費を支弁できることを証する資料及び出国のための手段又は経費を支弁できることを証する資料

  ※ 例えば,預金残高証明書や帰国用航空券など

 

 

 

 今年あたりから、日本人の大学入学者数が減少に転じると言われています。つまり、あと数年もすると労働市場に供給される日本人の大学卒業者も減少に転じることになります。そういった背景もあるのか、最近、海外の大学や日本の大学を卒業した外国人を正社員として雇用したいというご相談がとても多くなってきました。

 

 ただ、ご相談の内容が「何学部の学生なら採用できるのか?」とか、「こういった業務で採用したいが、何学部なら大丈夫か?」という質問にちょっと困ることもあります。

 

 いつもお付き合いしている会社さんでしたら、会社の業務内容もよくわかっていますので、そういった質問でもある程度的確にお話できるのですが、電話ではじめてのお問合せですと、お問合せいただいた会社さんのことがよくわからないので、ごく一般的で多少厳しい条件でお話せざるをえないことがほとんどです。

 

 大学卒業の場合、会社で外国人が行う業務と大学での専攻がある程度一致していれば、採用ができることが多いのですが、それでも「絶対大丈夫」ということはありえません。

 

 大卒の外国人採用でも、やはり「専攻と業務内容」のマッチングがとても重要だと思っていたほうがいいかと思います。また、入国管理局に提出する「採用理由書」の中で、「なぜこの外国人を採用することが必要なのか」について、詳細に説明することも有効です。

 

 日本人の採用と同じように、どのような外国人人材が必要なのか、事前によく検討することで、在留資格の取得もうまくいくのではないかと思います。

 

 外国人が日本で生活するために、パスポートや在留カードは必要不可欠なもので、本人が自ら管理するのは当然のことであるはずです。パスポートや在留カードがなければ、自分の身分を証明することも、出国も在留に関する届出もできないという状況に陥ってしまいます。

 

 ところが、先日私たちの同業者である「行政書士事務所」が、雇用している外国人のパスポートを「雇用者側で預かる」という内容の契約を結び、外国人が退職を希望しているにも関わらず、返還に応じないという事件が大きく報道されました。

 留学生が就職して就労可能な「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格を得るためには、就労先の業務が自身の専攻分野などと関連していることが必要になります。また就職活動をするために認められている期間内に就職できなければ、帰国を余儀なくされてしまいます。

 

 そういった、外国人の「弱みにつけこんで」本来は行うべきではない、雇用者がパスポートを預かり、外国人を縛ってしまうという事件が起きているのは、まぎれもない事実です。もちろん、パスポートを雇用者が預かる内容の契約は無効とされることになりますが、その間外国人本人は、不安定な立場に置かれてしまうことになります。

 

 パスポートを強制的に預かるという事件は、技能実習法施行前に「技能実習生のパスポートを強制的に預かり、失踪を防止する」といった内容で大きく問題となりました。現在では、技能実習生のパスポートを預かることは罰則付きで禁止されています。

 

 技能実習生以外の外国人についても、「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」を発表し、その中で「旅券(パスポート)などを保管しないこと」を求めています。

 

 外国人雇用の基本中の基本は「外国人の人権を守る」ことです。それができないのであれば、外国人を雇用する資格はありません。

 コンビニや飲食店で働く外国人の姿を見るのは、すっかり当たり前の光景になりました。「留学」の在留資格を持って大学や専門学校などで勉強している外国人は、「資格外活動許可」を得ることで、一週間で28時間(夏季休暇など長期の休みの間に限っては週40時間)以内であればアルバイトなどをすることができます。

 

 この一週間で28時間のアルバイトですが、間違えてはいけないのは「1か所について28時間ではなく、アルバイト全体で28時間」ということです。留学生の中には、複数のアルバイトをかけもちしている人もいるのですが、時々「一つのアルバイトで28時間」と勘違いして、2カ所で働いて週に56時間になっているという人がいます。

 

 それが原因で、留学の在留資格の更新が許可されずに、帰国するしかなくなってしまった留学生もいます。

 

 学費も、生活費もかかるのに一週間で28時間しかアルバイトができないと、生活するのが大変だということもあるかもしれませんが、留学の期間中は日本で学ぶことが目的だということをよく理解しておくことが大切です。

 6月7日、相模原商工会議所で、「外国人材受入促進セミナー」というタイトルで、私と当事務所の長谷川行政書士の2名でお話しさせていただきました。

 

 今回は、外国人を雇用する際に気を付ける点などのほか、新たな在留資格である特定技能や技能実習といった法制度や具体的な雇用の実務についてまで総合的な内容にしてみました。

 

 外国人雇用で、最も注意すべきポイントは、「外国人の学歴や実績」と就職した後に行う業務内容とのマッチングにあります。この点は、少しでもわかりやすくなるように、これまで私たちが扱った案件をアレンジして、具体的な事例を作成して説明しました。

 

 さらに、セミナー直前にガイドラインが発表された日本の大学や大学院を卒業した留学生の就職に関するトピックまで、伝えたいことがたくさんあって、もりだくさんの内容になりました。

 

 参加された皆さんに少しでも参考になればと思います。

 

 これまで、日本の大学を卒業した大学生が日本で就職しようとした場合、一般的には、「技術・人文知識・国際業務」という在留資格を得て、それぞれの専攻分野に合わせてエンジニアや通訳、翻訳、マーケティング関係などの「専門的な業務」を行うこととされてきました。この場合、彼らが行うことができるのは、認められた範囲の専門的な分野の業務に限られていて、それ以外の業務を行うことはできません。

 

 例えば、ホテルなどで採用された場合、フロント業務や通訳業務、さまざまな企画、ランドオペレーター、海外旅行会社との打ち合わせといった業務はできますが、どんなに現場が忙しくても、清掃作業やレストランでの接客といった業務については基本的に行うことができませんでした。

 

 これまで、日本政府は日本の大学などに留学した留学生の日本での就職率を「50%」とすることを目標としてきましたが、このような入管法上の制約もあって、実態的には「30%程度」しか日本で就職できていないのが現状でした。

 そのような中今年5月、入管法7条1項第2号に基づく告示に、日本の大学を卒業した留学生の就職に関する内容が追加されました。

 

 これまでの「技術・人文知識・国際業務」と大きく異なるのは、飲食店や小売店、製造業などの企業で、サービスの提供や接客、製造などの業務に、ある程度携わることができるという点です。ただし、そういった業務ばかりを行うことはできず、主たる業務は大学で専攻した専門知識や高い日本語能力を生かしたものでなければなりません。

 

 でも、これまでは認められてこなかった業務範囲まで、許可されるとなると、これまでは外国人の雇用が難しかった、中小の製造業やホテル、飲食といった企業でも幹部社員として外国人の雇用も視野に入ってきます。

 

 しかし、一方では「技術・人文知識・国際業務」の資格については、「特定活動」の業務内容との差を明確にするために、より厳格な審査が行われることになるかもしれません。

 

 

留学生の就職支援に係る「特定活動」のポイント

1、常勤の従業員として雇用され,本邦の大学又は大学院において修得した知識や能力等を活用することが見込まれること。

2、本邦の大学(短期大学を除く。)を卒業し,又は大学院の課程を修了して学位を授与されたこと

     3、日本人と同等額以上の報酬を受けること

4、高い日本語能力を有すること(試験又はその他の方法により,日本語能力試験N 1レベル等が確認できること)

注意)

1、風俗営業活動や、法律上資格を有する者が行うこととされている業務(業務独占資格を要する業務)については従事することはできません。

2、大学・大学院において修得した知識や能力を必要としない業務にのみ従事することはできません。

 先週の土曜日、同業者向けの研修会で外国人の在留資格に関する業務について、少しお話させていただきました。私たちのところには、自分で申請したり、別の行政書士に依頼したりしていた案件で、入国管理局から「不許可」や「不交付」とされてしまった・・・という相談が数多くあります。

 今回の研修では、「不許可」や「不交付」となってしまった場合にどのように「再申請」を行って、「許可」されるようにする(リカバリー業務といいます。)かについて、具体的な事例を使いながらお話しました。

 リカバリー業務では、再申請することについて、その理由や事情を説明するための「申請理由書」の内容が、かなり結果を左右します。前回の申請で問題となったと思われる点を修正し、更にその内容が必要とされる要件に適合しているかについて、詳細に説明していくのです。

 同業者でも特に入国管理に関する業務を行っている皆さんなので、結構緊張しましたが、なんとか、無事に終わることができました。


 

 特定技能1号として外国人材を受け入れるには、受け入れる外国人材に対して日常生活上、職業生活上あるいは社会生活上の支援を行うことが義務付けられています。そのために所属機関となる企業などでは、具体的な支援計画(一号特定技能外国人支援計画)を作成しなければなりません。また、作成した支援計画を適正に実施するための能力や体制を整えるこことも求められます。

 支援計画内で定める一号特定技能外国人支援の内容には、入国前のガイダンスをはじめ、出入国時の送迎、住宅の確保や日本で生活するために必要な情報のオリエンテーションの実施、日本語学習の支援、各種行政手続きについての情報提供に加え、相談・苦情対応や非自発的離職時の転職支援などがあり、非常に多くの情報提供や体制の整備が必要です。

 これらの支援計画を適正に行うことが難しい場合には、出入国在留管理庁長官から登録を受けた「登録支援機関」に、支援計画の全部あるいは一部を委託することが認められています。

  まだ登録は始まっていませんが、技能実習の監理団体や、業界団体、民間法人のほか、行政書士や社会保険労務士などの登録も多くなるのではないかと思われます。